飼い主様向けセミナーの概要

7月22日、ONELifeにて「もしも、飼えなくなった時にペットに安心を遺すには?」と題して、飼い主様向けにペットのための生命保険セミナーを開催しました。

参加者は一般飼い主様3名、一般社団法人1名、獣医師1名、当団体スタッフ2名の計7人で行いました。とものわのパンフレットを一新したものをお配りし、ご説明させていただきました。全体として、一般の飼い主さんの生の声を聴けたことは大変参考になりましたし、飼い主さんにもいざというときを具体的に考えていただく良い機会になりました。

ペットと高齢者の共生の現状

次にペットと高齢者の社会的課題についてお話させていただきました。
現在の日本社会においてはさらなる超高齢化、高齢者のみ世帯の増加は避けられない問題です。その中で付随的に問題になってくるのがペットを飼っている高齢者の方々です。

保健所に持ち込まれるケースのおよそ1/3~1/4が高齢者によるもので、これはますます増えてくると予想されます。朝日新聞の調査によると、17年度には少なくとも犬で1299匹(件)、猫で2359匹(件)が「高齢者から、または高齢が原因と見られる理由」で捨てられていたとのことでした。

ただ、飼えなくなる可能性があるからといって飼ってはいけないとする「自己責任の社会」ではなく、互いに支え合って誰もが最後までペットと安心して暮らせる「共助の社会」にしていかなければならないと考えております。また、飼い切れるからといって高齢の方、高齢に差し掛かる方に不安がないわけではありません。そういった方々の不安も払拭していかなければならないと考えております。

現状、持続可能な共助の仕組みがあるかというとなかなかないので、社会のニーズに答えるべくペット後見互助会とものわでサポートする仕組みを提供していきます。

保護活動の現状

次に日本の保護活動の現状について、実例を出しつつご説明させていただきました。
様々な人の尽力により、ペットの殺処分数は激減しております。ただ、保健所が殺処分にせずに持続的に飼育しているケースや、団体のキャパシティを超える程収容されたペットを保護するケースもあります。

十分なシェルター機能を果たすためには、犬であればスタッフ1人あたり10頭前後が限界で、支出についても人件費と医療費で大半がなくなってしまいます。NPO法人や保護ボランティアの場合は、無償ボランティアやプロボノによりその人件費は削減されていますが、それでも資金不足は否めません。また寄附やクラウドファンディングに頼るにも限界があります。
また、老犬老猫ホームに終生飼育を依頼するにしても、施設によってそれぞれ費用は異なりますが、年間で7、80万円は下らない施設も多くあります。

今後NPO法人や保護ボランティアにさらに高齢者が引き取り申請が増えた先に、望む社会は存在しません。
そして、老犬老猫ホームは資金的にかなり余裕がある方々のためだけのサービスとなってしまいます。

ペット後見互助会の仕組み

ペットを飼っている方の中には飼い切れてしまう人もいれば、早い段階で飼育困難に陥る人もいます。つまり、生涯を保証するにあたって低額でおさまる場合もありますが、相当な費用がかかる場合もあります。

そこで、リスクを持ち合うことによって個人個人の負担を減らし、ペットの生涯を保証する利用しやすい仕組みとして展開しております。

全国的に見て、ペット信託や遺言などによる遺贈は一部で利用されてきておりましたが、使い勝手や費用的な課題があり、なかなか普及には至っておりませんでした。
生命保険信託は全国初で、生命保険について発生した保険金(死亡保険金)を、信託会社にから親族や一部の公益性の高い法人・団体に財産交付できるという仕組みです。

NPO法人も第一受益者となりえるのですが、認定NPO法人でなければなれません。
当法人は今年度認定NPOの申請を出し、認証されれば生命保険信託が利用できるようになる、という段階です。

意見交換

参加者の方々からはぜひ使ってみたいという声もあがっておりました。
個別の希望に対応することはできるのか?飼育困難に陥った後、譲渡先で何か起こった場合の補償は何かあるのか?保険金額や保険の適応年齢は?といったご質問が寄せられていました。

・生命保険については契約する生命保険会社に問い合わせていただく必要があります。

・個別の対応については、生命保険でなく、より用途を指定できる信託を利用した方がいいかもしれません。
また、万が一の時に頼れる人がいて、その方に頼めるのであれば、その方を受益者にする形で信託契約を結んだ方が良いかもしれない、とお答えさせていただきました。
※とものわは生命保険だけでなく、信託、遺言・遺贈、生前贈与にも対応しております。

・譲渡先での保障については、譲渡先の飼育者に万が一のことが起きた場合はとものわで緊急保護を行ってその後を検討させていただく形となる、とお答えさせていただきました。

今後の方針

まずは年度末の認定NPO法人申請に向けて尽力していきます。
まずは有料で円滑に回るシステムとしてモデルを構築していけたらと考えております。

定期的に飼い主様向けセミナーを開催し、まずは啓発活動に努めていきます。