2020年度活動のハイライト

1.コロナ禍における、オンラインセミナーの実施

 2020年度は、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴って、中核的事業である犬のしつけ教室企画運営事業について、4月10日~5月30日の期間、休業要請に従って休業(5月12日以降は一部業務を実施)を行いました。

 法人の持続可能な運営を模索する中で、オンラインによるセミナー配信事業として、ONELifeチャンネルをスタートさせ、531人にご登録いただきセミナーを視聴いただくことができました。ONELifeチャンネルの他にも、猫問題解決プログラムにおいて9回のセミナー配信を行いました。こうした取り組みの中で、オンラインを通じた活動のノウハウを蓄積することができました。

2.ペット防災領域での活動の進展

 ペット防災(自然災害等に備えた、人と動物の防災事業)について、動物避難所マップ作成にむけて資金調達を行うために、日本財団「新型コロナウイルス感染症に伴う社会活動支援」に応募採択されました(事業費600万円、うち助成金480万円)。また、岐阜市が実施するクラウドファンディング型ふるさと納税を活用したNPO法人等応援事業も並行して応募し、認定され、500万3000円のふるさと納税によるご寄付をいただくことができました。これらの資金を元手に、2021年度に全国動物避難所マップの作成に取り組んで行く予定です。

3.事業内容について

 2017年度より活動全体のロジックモデルを作成し、(1)適正飼育普及啓発、(2)高齢者とペットの共生、(3)ペット産業のCSR推進、(4)ペット防災の推進、(5)野外で繁殖する犬猫対策の5分野を対象となる社会課題として定めて活動してきました。

(1)適正飼育普及啓発領域

(1)適正飼育普及啓発領域については、2018年度同様、犬のしつけ教室ONELifeの運営と、ぎふ動物行動クリニックの運営を行いました。休業の影響からしつけ教室の参加組数は減少し、年間のべ3650組でした。クリニックの相談者は増加し、新規相談は178件でした。

(2)高齢者とペットの共生領域

(2)高齢者とペットの共生領域については、認定NPO法人を取得できたことを受けて、生命保険信託を活用した、ペット後見サービスの提供を開始しました。生命保険信託や遺言を活用する形で契約を進め、1件の終生飼育契約(のべ3件)を締結することができました。

(3)ペット産業のCSR推進領域

(3)ペット産業のCSR推進領域については、全国で110店舗以上のペットショップ(PetPlus)を運営する株式会社AHBが、繁殖引退犬猫等に新しい家族をマッチングする事業「パートナードッグ&キャットプログラム」に関して、外部の動物福祉・愛護に関する専門家が助言を行うアドバイザリーボードの企画、及び、アドバイザーとして参画し、サポートを行いました。

(4)ペット防災の推進領域

(4)ペット防災の推進領域については、夏冬2回の動物避難所開設訓練を実施し、動物避難所開設に関わるノウハウを蓄積しました。また、日本財団助成金、岐阜市ふるさと納税による寄付金をいただくことができ、2021年の全国動物避難所マップの開発に弾みを付けることができました。またペット防災カレンダーを発行し、合計で2万冊(2021年4月はじまり版も含む)の配布を行うことができました。

(5)野外で繁殖する犬猫対策領域

(5)野外で繁殖する犬猫対策領域については、猫問題解決プログラムと題し、9回のオンラインセミナーを実施しました。また、2018年に続き2回目となる、全国ロードキル調査を実施しました。調査結果は2021年度内で学会発表を行う予定です。

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