入院が決まった。来週から、もう入院しなければならない——。そんな突然の事態に直面したとき、頭をよぎるのは「この子はどうなるんだろう」という不安ではないでしょうか。

ペットは家族の一員です。自分が入院している間、ちゃんとご飯を食べているか、寂しくしていないか、体調は大丈夫か。心配は尽きません。

この記事では、飼い主の入院という非常事態に、誰を頼ればいいのか・どこに連絡すればいいのかを解説します。「短期間の世話」から「長期・引き取りが必要なケース」まで、状況別に整理しました。

まずは「世話をしてもらう」——短期〜中期入院場合

入院期間が数日〜数週間程度であれば、ペットを手放す必要はありません。専門の「世話をしてくれる人・場所」に頼りましょう。

ペットシッター

自宅に来てもらい、ご飯の準備・トイレ掃除・遊びなどを代わりに行ってくれるサービスです。ペットが慣れた環境で過ごせるため、ストレスが少ないのが最大のメリットです。

費用は1回あたり3,000〜8,000円程度が目安。検索サービス(ペットシッタースマイル、Wantedsなど)を使えば近くのシッターを探せます。ただし、自宅への他者の立ち入りに対して事前の備えが必要な点と、長期になると費用がかさむ点は考慮してください。

ペットホテル

施設にペットを預ける方法です。複数頭いる場合でも対応しやすく、スタッフが常駐しているため体調変化にも気づきやすいのが利点です。費用は1泊4,000〜8,000円程度。

一方で、慣れない環境によるストレスを感じやすい子もいます。特に高齢のペットや神経質な子は、環境変化が体調に影響することもあります。事前に短期間お試しで預けてみることをお勧めします。

費用目安特徴・注意点
ペットシッター1回3,000〜8,000円自宅環境でケアできる。慣れた場所で過ごせる反面、自宅への他者立入が必要。
ペットホテル1泊4,000〜8,000円施設での管理で安心。ただし環境変化によるストレスに注意。

環境が変わらないほうがおススメ

ペットシッターを選ぶか、ペットホテルを選ぶか迷うところですが、やはり動物たちのことを考えると、ペットシッターを選んでいただいたほうが動物たちにとってはストレスは少ないです。

そのために重要なのが自宅から近くのペットシッターを開拓しておくということです。距離が遠いとそれだけ費用も嵩みます。自宅から近ければ、コストも安くなりますし、シッターさん側としてもお世話に行きやすいので、細かい対応もしれくれる可能性が高まります。

自宅から近いシッターさんと信頼関係を作っておくことが大切です。

入院が長期化・戻れないかもしれない場合——「引き取り」という選択

入院が長引いたり、退院後も自宅での飼育が難しいと判断される場合、ペットの引き取り先を探す必要が出てきます。ここからは、少し踏み込んだ話をします。

引き取り先はなぜ少ないのか——法律上の背景

「保護団体に頼めばすぐ引き取ってもらえるはず」と思いがちですが、実際にはそう簡単ではありません。そもそも保護団体はどこも保護動物で溢れかえっています。当団体にも保護してほしいという連絡は多数来ますが、お話を聞くと、「他の団体ではすべて断られた」と言われる方がほとんどです。

保護団体にとって、動物を安易に引き取ることは命取りになりかねません。しかも多くの人は「無償で預かってもらえる」と思っていますが、動物の飼育には当然費用が掛かります。

では有償なら引き取ってもらえるかというと、そうでもありません。動物を有償で「引き取り、飼育する」行為は、動物取扱業のうち「譲受飼養業」に該当します。都道府県への登録が義務づけられており、登録なしに引き取りを行うことは動物愛護管理法に抵触する可能性があります。

ただ、通常のペットホテルでは、年に1回も有償で引き取るということは起こりません。必要ない業務のために15,000円の登録料を払うかというと払わないですよね。

保護団体については、実態として、一部の団体で登録なしに有償の引き取りを行っているケースもありますが、それは法的に問題のある行為です。登録を受けた団体かどうかは、引き取り先を選ぶ際の重要な確認ポイントになります。

「安さ」や「善意」だけでは動物は守れない

費用をとらずに引き取りを行う団体の中には、善意から活動しているものの、結果として多頭飼育崩壊に至るケースがあります。資金が尽きれば適切なフードも医療も提供できなくなります。

動物を預けるということは、その団体が長期間にわたって動物の健康と命に責任を持つということです。善意だけでなく、継続できる仕組みがあるかどうかを見極めることが大切です。

信頼できる引き取り先の見極め方——5つのチェックポイント

入院中の方が施設を直接見学するのは難しいことも多いと思います。そのため、以下の観点でオンラインや電話で確認してみてください。

① 費用を明示してくれるか・契約書はあるか

費用明示がない場合は、後々のトラブルに発展する可能性があります。電話した際にすぐ答えてくれる団体は少ないかもしれませんが、見積書などを明示的に示してくれる団体を選んだほうがいいでしょう。また、引き取りに際して後々の追加請求などを防ぐためにも、契約書をきちんと作ってもらえる団体のほうが安心です。

② 獣医師・愛玩動物看護師などの専門家が関わっているか

動物の健康管理には専門知識が必要です。獣医師または愛玩動物看護師がスタッフとして関わっている団体は、医療面・飼育面での安心感があります。動物福祉に配慮した飼育のクオリティにも影響します。

③ ホームページや SNS で情報公開しているか

活動実績・スタッフ構成・飼育環境をホームページで公開している団体は、透明性を重視しています。実体が分からない団体には注意が必要です。

④ 自宅ではなく、専用の施設・店舗を持っているか

代表者の自宅で活動している団体は、代表一人が頑張って世話していて、代表が倒れたら終わりという団体も少なくありません。自宅ですから他人の目が入りづらく、飼育環境が悪化するリスクも高くなります。外部の人が入る専用の飼育スペースや店舗を持っていることが、安定した飼育の条件のひとつです。

⑤ 複数の常勤スタッフがいるか

代表や幹部に依存した体制は、その人が病気や離職した場合に動物の世話が継続できなくなるリスクがあります。特に代表がボランティアで飼育をしている場合はリスクが高いといえるでしょう。複数名の常勤スタッフがいる組織的な体制かどうかを確認してください。

当団体の場合

NPO法人人と動物の共生センターでは、「ペット後見互助会とものわ」として、飼い主の入院・死亡時のペットの緊急保護の依頼を受けることは多くあります。

1頭100万円(体重10キロ以上の場合1キロあたり10万円)を飼育費としていただいています。100万円と聞くと、高額に思えるかもしれませんが、ペットホテルに預けたら犬で6か月分程、猫でも12カ月分程の金額です。

当団体では預かったあと、新しい飼い主を探しますが、やはり新しい飼い主が見つかるまで、半年~1年かかりますし、中には譲渡が難しい場合もあります。100万円では赤字になるケースも少なくありません。

当団体では獣医師が代表を務め、獣医師・ドッグトレーナー・愛玩動物看護師などが飼育を担っています。しっかりとしたプロフェッショナルとして、保護と譲渡を行っております。

まずはご相談ください

入院が決まったばかりで焦っている方も、退院後の見通しが立たない方も、当団体での引き取りという選択肢だけでなく、ご相談に乗れることはあると思います。お困りでしたらまずはご連絡ください。状況をお聞きした上で、できることをご提案します。

お気軽にお問い合わせください。058-214-3442受付時間 9:00-17:00[不定休]

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