4/21開催 日本全国ネコ会議[動物×法律]その現在地と活動のポイントは?

動物のために活動していると、たびたび「動物と法律」について考えなければならなくなります。
近所の餌やりによる糞尿被害、虐待の通報、生活困窮者の動物の所有権などキッカケはさまざま。
日ごろ法律と関わることが少ない私たちは、基本的にどのような考えを持っておけばスムーズな問題解決につなげていけるのでしょうか。

今回は、2022年に設立された「どうぶつ弁護団」の細川敦史弁護士、そして地域猫などの活動に参加され現場にも精通される中島万里弁護士をお迎えし、「動物と法律」の現在、そして活動していく上でのポイントについてお話を伺いました。

★プレゼンテーション

中島先生からは、自身が活動されるおおぶ地域ねこの会(おぶねこ)の活動紹介がありました。法律家としての活動への関わり方として、市内の公園に犬の死体が遺棄されたケースを他団体とともに告訴したという事例紹介がありました。地域猫活動に反感を持つ住民からの攻撃やボランティア同士の衝突など、ボランティアが抱える悩みも様々だが、ボランティアが安心して活動できることにより動物が適切に守られることにつながる、というポリシーを持って活動に参加しているというお話がありました。

細川先生からは、まず2022年にスタートした特定非営利活動法人どうぶつ弁護団の概要のご紹介がありました。「動物虐待の発生を予防することによって、動物と人にやさしい社会を目指します。」というミッションの元、虐待が発生した場合の警察等に対する刑事告発や動物行政に対する申し入れ、動物愛護への啓発活動などを行っているとのことです。虐待が顕在化しやすくなったことで、虐待事件としての検挙数は増加、また厳罰化により警察の対応も変わってきたというトレンドの解説の後、どうぶつ弁護団としての告発事例として東京都世田谷区のトラバサミによる受傷事案、奈良県の自作銃による猫傷害事案の事例紹介があり、特に後者は懲役1年6か月(執行猶予3年)と、長年関わっていた先生としても重い量刑に驚いている、というお話がありました。

★鈴木さんからの質問

MCの人と動物の共生センター鈴木さんは生活困窮者のペット問題に前線で活動するひとり。そんな鈴木さんからは、

①相談者の友人が逮捕。相談者は遠隔地。対応してもらえないか?との依頼。法に触れることなく、置き去りの動物をレスキューするには?
②所有権が不明確であるTNRや地域猫のマイクロチップを入れてしまうことは犯罪か。

という2つのケースを問題提起し、両弁護士にご回答をいただきました。

①は主に細川先生が回答され、第三者とのやりとりだけで介入するのは避けた方が良い。弁護士が業務外である猫の世話まですることは期待できないが、弁護士を通じて逮捕者本人とコンタクトを取り、許諾を得た上で介入するのが現実的だろう、との回答とともに、国も公的機関による緊急保護制度を検討中とのご紹介もありました。

②は中島先生が回答され、所有権の有無の確認は通常のTNRや地域猫活動の中でも慎重に行われるし、他人の所有権を侵害する故意はなかったと判断されるため、違法になることはないと考える。またマイクロチップの普及が進み、確認が簡単にできるようになれば未確認でマイクロチップを入れてしまうこともなくなるだろうとのご回答がありました。また、現時点では保護した猫にマイクロチップがあった場合、すぐに手術したくても飼い主の承諾が必要となったり、その飼い主への連絡もボランティアが行うのかどうか、飼い主がすぐに引き取りに来てくれるかどうかも分からないといった懸念や、むしろマイクロチップがない方が保護したボランティアへの負担が少ない、という矛盾も指摘されていました。

★参加者とのQ&A

・虐待などがスムーズに解決されるために必要な法律は?
・法的に物扱いである一方、飼い主は物ではないと感じるという食い違いについて、弁護士としてはどう考えているか?
・内外飼いをしている猫による糞尿被害がある場合、どう対応すべきか?

などの質問に対し、両先生が回答されました。どんな回答をされたかはぜひアーカイブ(ライブ配信後1か月限定)をご覧ください。

★配信後の感想

MC鈴木さん「ボランティアが安心して活動できるような環境づくりをしたいと仰ってくださった中島先生、動物虐待の発生を予防することで動物と人にやさしい社会を目指したいという細川先生。法律の話は難しいと身構えていたのですが、活動のご紹介もわかりやすく、お二人のお人柄もあってご視聴の皆様も法律へのハードルが下がったのではないかと思います。聞きたいことは色々とあったのですが、状況によって判断が変わるでしょうし、個人的なことでなく、広く皆様に共感していただける質問を考えるのに悩んだ回でもありました。」

事務局の青山さん「行楽シーズンの休日の昼間でしたが、多くの方に参加いただきありがとうございました。より深い議論につながるよう今回から人と動物の共生大学内のセミナーとしてお送りしましたが、それに見合った有意義なやりとりが出来たのではないかと思います。今後も法改正などのタイミングで今回のような内容も企画していきたいと考えています。」

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