12月12日に問題行動解決塾『ペットショップが家族へとつなぐ「子犬の経験」〜お世話の中から子犬が学ぶ大切なこと〜』を開催いたしました。

講師はuta.lifeのつねいし先生です。
リアルタイムで約100名の方にご参加いただきました。

ペットショップは、子犬と新しい家族をつなぐ大切な場所です。子犬のお世話に必要な「触る」「抱っこ」といった行為はすべて人の手が関わっており、その中で得られる安心と快適の経験が、子犬にとってとても重要です。

セミナーでは、子犬が安心や快適を感じる具体的な場面が紹介されました。例えば、片手や両手で身体に触れたときの反応、抱っこで足を拭くときに前足を引くかどうかなど、日常のお世話の中で子犬が示す小さな行動に注目し、それに応えてあげることの大切さをお話しいただきました。

また、2021年から6ヶ月間行われた調査では、子犬の反応を「人の手」「触る」「抱っこ」の3項目でチェックし、店舗ごとに平均値を算出しました。その結果、安心や快適の経験が多い店舗と少ない店舗で子犬の反応に差があることが分かりました。現場では、掃除や食事の前後など短い時間を活用し、スタッフが1日に複数回生体ルームに入り、子犬に安心と快適を提供する工夫が行われていました。

犬の性格や行動は、犬種や遺伝子だけでなく、育った環境や経験によって一頭一頭異なります。同じ犬種でも全く同じ性格の子はいません。だからこそ、スタッフや飼い主が日常のお世話で気付いた小さな情報を家族に伝えることが大切です。

家族への説明では、犬種の特徴だけでなく、その子自身の性格や反応を具体的に伝えることが重要です。例えば、人懐っこい子は膝に乗ったり飛びついたりします。怖がりな子は隅で固まったり震えたりします。足拭きを嫌がる子は前足を引っ込めて教えてくれます。こうした情報を知っていれば、家族は暮らしの準備がしやすくなります。

さらに忘れてはいけないのは、「飼えない選択も正解のひとつ」であるということです。家族ごとに折り合いや許容できる範囲は違います。例えば、落ち着いた犬を飼っていた家族にとっては、興奮しやすい子犬は負担になるかもしれません。手を怖がる子犬は「抱っこしたい」という希望と合わないこともあります。無理に迎え入れるよりも、事前に情報を知り、家族と犬が幸せに暮らせる選択をすることが大切です。

ショップや施設ごとにできること、すでにできている大切なことが必ずあります。家族が子犬との暮らしを始めるときに、知っている情報が0から1以上となるように子犬の経験・感覚・記憶を家族へつないでいきたいですね。

次回の問題行動解決塾は2026年3月を予定しています。

企画検討のため、セミナーのアンケートへのご協力をお願いいたします。
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