生体販売のリーディングカンパニー「ペッツファースト」にて有識者意見交換に参加してきました。

ペット産業、とりわけ生体販売の分野で、最も積極的にCSRに取り組まれているペッツファーストさんにお招きいただき、有識者意見交換会に参加してきました。

参加者の皆様は、動物病院やドッグトレーニングの経営者さん、広告代理店でペット関連事業に取り組まれている方など多彩な方々がご参加されていました。

意見交換会の内容は、ペット産業の課題についてざっくばらんに意見を出すような形で、課題の全容把握といったところでした。今回が第一回で、今後も回を重ねていく予定になってます。

印象的だったのは、参加者の皆さん飼い主教育の必要性を第一に挙げていた点ですね。ブリーダー問題とか、殺処分の問題とかが挙がると思いきや、飼い主教育が、最も重要だと。実はこれ、当方で行ったペット産業従事者アンケートの結果とも符合します。

動物愛護団体を中心とした意見交換であれば、ブリーダー問題が第一に語られるでしょうが、ペット産業従事者の意見交換であったことで、飼い主と近い立場にいるからこそ、教育の必要性を強く感じているんだなと思いました。

もちろん、ブリーダー問題も指摘してきました。ペットショップのCSRとして、サプライチェーンマネジメントを如何に進めていくかは大きな課題です。

意見交換の中で、販売するのは子犬じゃなくていいのではないかという話も出ました。少し成長した犬、保護犬、繁殖引退犬でもいいわけです。

子犬が30頭生まれたら、繁殖引退犬が1頭は生まれるわけで、ペットショップでもそこに力を入れていくべきだろうと思います。繁殖引退犬の譲渡が適切に進むことで、ブリーダーの飼育頭数が減り、飼育環境の改善、福祉の向上につながります。

今後もこういった機会を設けられるとのことで、ステークホルダーとの対話を行う姿勢に敬意を表します。今後もステークホルダーの意向を尊重して、事業の舵取りをお願いします!

ちなみに、ペッツファーストは自分の知る限り生体販売企業の中で唯一CSRレポートを発行している企業です。すごく先進的な取り組みで、是非継続していただきたいし、多くの生体販売企業にも取り組みを加速していただきたい部分です。

しかしながら、今の所中身が保護犬譲渡活動しか載ってないのは、残念な所と感じました。CSR≠社会貢献の活動、CSR=事業で発生する社会への影響に責任を負う事でありまして、社会貢献部分だけで構成してしまうのはもったいない!そもそも、ペットショップの事業活動と保健所での殺処分問題は実は関連性が低いです。むしろ、殺処分問題と関連が深いのは、野外で繁殖する犬猫の問題。ペットショップの事業活動に影響が深いのは、ブリーダー等での飼育環境の問題や飼い主教育の問題です。

ペッツファーストに限らず、ペット関連企業のCSRレポートには、動物福祉に対するコミットメントや、自社の事業活動が社会に与えている影響、マイナスの影響を小さくしプラスの影響を大きくするための数値目標などなどを記載していただきたいですね。きちんと情報公開しコミュニケーションしていくCSRレポートの発行を期待します。

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