報告書を発行いたしました

2022年度に当団体が実施した、生活困窮者ペット飼育問題に関する調査および活動に関する報告書を発行いたしました。

本報告書が、生活困窮者ペット飼育問題に関わる多様な主体に利用されることを期待するとともに、この問題についての社会的な理解を深め、国や地方自治体の政策の中で位置づけられるように働きかけを継続していきます。

課題の見える化・対話・解決へ

本報告書の目的は、①課題の見える化を行うこと、②多様な関係者との対話のきっかけとすること、③持続可能な解決策構築に向けた協力体制を構築することの3点です。

特に、①課題の見える化に重点を置き、調査報告(P3-4)では、岐阜市内の地域包括支援センターを対象に、「どの程度の課題が潜在しているのか?」を定量的に示すことを試みました。事例報告(P5-10)では、動物相談ホットラインに寄せられた対応事例についてその推移をまとめました。対話の試み(P11-12)として、2023年2月に実施した成果報告会の実施概要と、寄せられたご意見について、取りまとめました。これからに向けて(P13-14)では、課題の構造化を試みると共に、持続可能な解決策の構築に向けた4つの提言を記載しました。

本報告書が、生活困窮者のペット飼育問題に悩む、全国の関係者に届き、各地でこの問題の持続可能な解決体制が構築されることを切に願っています。

犬猫相談ホットライン

2022年より、『動物相談ホットライン』を開設し、社会福祉関係者と連携した支援を実施してきました。ホットラインでは、社会福祉関係事業所や生活困窮者本人から相談を受けつけ、それぞれの問題解決のための支援を行っています。

主な相談事例

  • 精神疾患があり、3か月の入院が必要だが、ペットがいるから入院できない。ペットホテルを利用できるような経済的余裕がない。
  • 多頭飼育状態となり、不衛生な環境で訪問看護・訪問介護が利用できない。
  • 施設入所が必要な状態だが、ペットがいるため拒否している。