わんにゃん緊急災害ネットワーク熊本 動物看護師 増子元美さん
飼い主を「一人ぼっちにしない」社会に
熊本に拠点を置く私は、九州北部豪雨(2012) 熊本地震(2016)
令和2年7月豪雨(2020)の被災地の真ん中で支援活動にあたってきました。
先の豪雨災害では、ペットの為に自宅に帰り被災し、
亡くなった方がいると、支援先でお話を伺い、胸を締め付けられました。
緊急災害時は、飼い主さんも動物も混乱する中、適切な行動や頼れる先をナビできるような仕組みがあれば、
災害死、生き別れ、関連死から人と動物の命を守れると思います。
人も動物も守るために、動物避難所マップを作るということは、
これからの災害に備えるために、絶対に必要な取り組みです。
そして同時に、一人一人が、「自分ごと」として「命を守る覚悟と準備」を持つ必要があります。
飼い主と動物を支援する方にも、飼い主さん自身にも、
是非参加していただきたいプロジェクトです。
私もその一員として参画させていただいています。
災害を経験し、一番大切なことは、
「一人ぼっちじゃない」「一人ぼっちにしない」ということです。
「ペットがいるから避難しない」という判断は、
飼い主が一人ぼっちになっているということではないでしょうか。
社会の中に受け入れてもらえる場所があるという安心感が必要だと思います。
そして、飼い主自身の自助、動物避難所を通じた共助(ネットワーク)が揃えば、「最善の選択」に繋がるのです。
どこへ避難するのか?
指定避難所・福祉避難所・民間避難所・軒下避難・車中泊避難…。どこがベストなのか?
「命を守るため」、「生活再建のため」、考えられる事前の準備が必要です。
事前の「覚悟と準備」と「希望を持てる心」で「復幸」というゴールを目指して欲しいのです。
災害は突然おこります。
容赦なく生活にも心にも爪痕を残します。
ペットを支える飼い主さんの防災力こそがペットの命と生活を守れます。
どうか・・今日から真剣にペットのための備えを進めていただきたいと思います。