一部SNSにおける、奥田に対する批判的コメントに関する表明

2021年11月8日ごろより、一部SNSにて、以下のような内容の投稿が散見されています。

「獣医師奥田はペット業界の手先として虐待的数値規制案を作った(提案した)ペット業界の手先である」(一部内容より抜粋し要約)

ご心配いただいた支援者の皆様よりお問い合わせいただいておりますので、まずはご心配をおかけした事をお詫び申し上げます。

こうした言説、特に、「ペット業界の手先として虐待的数値規制案を作った」という部分は、犬猫適正飼養推進協議会(以下、協議会)が2021年5月に発行した「動物取扱業のための飼養管理ガイド」(以下、同ガイド)の監修を、奥田が行ったことに関係すると考えております。

確かに同ガイドの監修は行いましたが、奥田が「ペット業界の手先として虐待的数値規制案を作った」事実はございません。大きな事実誤認がありますので、以下にご説明申し上げます。

<要点>

  • SNS内で散見される「虐待的数値規制案」とは、協議会の石山恒氏が2019年11月25日に、環境省「中央環境審議会動物愛護部会(第53回)」にて発表した資料の事である。
  • 奥田が監修を行った「動物取扱業のための飼養管理ガイド」は、上記資料とは別物である
  • 奥田は同ガイドの監修作業の中で、動物福祉の向上にかなう内容にすべきとの考えから、ケージサイズ・構造・ワイヤーメッシュの禁止・十分な運動の必要性・エンリッチメント・社会化の充実等の事項に関して意見を伝えている
  • 同ガイドは、協議の末、法改正の結論を待ち、確定した数値規制(※1)を反映した形で発行された

(※1)ここでいう数値規制とは、令和3年6月1日に施行された「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」を指します。

1.「虐待的数値規制案を作った」というのは、事実誤認

当該SNS内で言われている「虐待的数値規制案」とは、協議会の石山恒氏が2019年11月25日に、環境省「中央環境審議会動物愛護部会(第53回)」にて発表した以下の資料のこと指すと考えられます。

https://www.env.go.jp/council/14animal/mat53_2-4.pdf

本資料は、数値規制に対する業界側の試案として、石山氏ら協議会が作成したものです。

協議会の依頼により、当時「動物取扱業のための飼養管理ガイド」の監修に入っていた奥田は、協議会に対して、ケージサイズ・構造・ワイヤーメッシュの禁止・運動の必要性・エンリッチメント・社会化の充実等の事項に関して、より動物福祉に配慮したものになるように、忌憚のない意見を提出していました。

「獣医師奥田はペット業界の手先として虐待的数値規制案を作った」というのは、まったくの事実誤認です。

2.「動物取扱業のための飼養管理ガイド」監修~発行の経緯

「動物取扱業のための飼養管理ガイド」は元々、数値規制の議論に対する“業界側の基準案”とすることを意図して、協議会が作成を始めたものです。

奥田が監修の依頼を受けたのが2019年10月初旬で、協議会関係者と具体的な打合せをはじめて行ったのは10月15日当団体事務所においてです。対面での打ち合わせ以外にも、頻繁にメール等でのやり取りを行っていました。奥田は、動物行動学の専門家としての観点から、業界案作成にあたり改善が必要な部分など、忌憚のない意見を伝えさせていただいておりました。

石山氏が、「中央環境審議会動物愛護部会(第53回)」にて試案を発表したのが、その約1ヶ月後の2019年11月25日です。石山氏が発表した資料については、奥田は目にしたことがなく、傍聴にも伺っておりませんでしたので、SNSで拡散された情報で、発表内容を知る形となりました。

この段階では、協議会内でも内容について確定しておらず、ケージサイズ・構造・ワイヤーメッシュの禁止・十分な運動の必要性・エンリッチメント・社会化の充実等の事項に関して、より動物福祉に配慮したものになるように、強く意見していた状況です。

その後、社会からの声、協議会内部での議論、奥田を含む監修者からの意見も踏まえ、「動物取扱業のための飼養管理ガイド」を、業界基準案として数値規制の確定に先んじて打ち出すのではなく、“確定した数値規制を反映”した形で発行することが決定されました。

最終的に同ガイドは、2021年5月を待ち、発行となっています。

3.業界内部から助言する役割

当団体および代表の奥田は、これまでの活動の積み重ねから、生体販売を行う企業や業界団体とつながりがあることは事実です。

「動物取扱業のための飼養管理ガイド」への監修もその一つですし、2021年11月現在、株式会社AHBが設置する、アドバイザリーボードに参画していることもその一つです。

奥田は、獣医行動診療科認定医の資格を持ち、これまでの経験からも、動物福祉や動物愛護に関する動向、ペット産業の動向にも詳しいという特性をもっています。そうした知識・経験を有する奥田が、“業界内部から”助言を行うことは、ペット産業がより責任を果たし、動物福祉を向上させるために必要なことであり、有効な手立てであると考えています。

4.事実誤認に基づく誹謗中傷の拡散はおやめください

今回のSNSでの発言のように、事実誤認に基づく誹謗中傷(当団体や奥田個人を貶めるような投稿)がなされることについて、大変遺憾に感じております。

当団体としては、当団体に疑義がある場合には、それらについて説明を行う責任があると考えております。当団体に疑義がある場合には、支援者の皆様に伝えるのではなく、当団体に直接問い合わせください。