お知らせ

奥田順之-出版記念講演会「 自分の死後も愛犬・愛猫を幸せにする方法  」

高齢者はペットを飼っちゃダメですか?―― NPO法人人と動物の共生センター代表で獣医師の奥田順之による、新たな人とペットの共生社会に向けた一冊!超高齢社会の中、私たち社会は、ペットとの暮らしをどう守っていくのか?? 「も […]

ペットショップが家族へとつなぐ「子犬の経験」〜お世話の中から子犬が学ぶ大切なこと〜[問題行動解決塾]New!!

言葉を話せない犬に対しても、人は感情や意思を伝え、あるいは、犬から感情や意思を読み取り、異種間のコミュニケーションを図ります。そのツールとして、私たちは、声、表情、視線、身体全体の動き、そして、手の接触によるスキンシップ […]

私たちの理念

人と動物が共に生活する事で起こる社会的課題の解決を通じて、
誰もが他者を思いやることのできる
社会づくりに貢献します。


私たちのビジョン

  • 「飼い主の周囲の方」の安全・安心
  • 「飼い主自身」の幸せな生活
  • 「動物たち」の福祉

私たちは、この3つが同時に達成された、
人と動物の共生社会を目指します。

人と動物の共生センター最新情報

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\新着イベント📣参加無料🐕/
ペットショップが家族へとつなぐ「子犬の経験」〜お世話の中から子犬が学ぶ大切なこと〜
[問題行動解決塾]

言葉を話せない犬に対しても、人は感情や意思を伝え、あるいは、犬から感情や意思を読み取り、異種間のコミュニケーションを図ります。そのツールとして、私たちは、声、表情、視線、身体全体の動き、そして、手の接触によるスキンシップ等を用いています。

子犬の社会化の重要性が語られていますが、ともすれば「怖がる場面でおやつを与える」ということだけが社会化であると理解されているかもしれません。

社会化とは、「共に暮らす、同種・異種の生物との対応や生活環境における、適切な社会行動を学ぶ過程」を指します。

新規の刺激に対して、おやつという報酬を組み合わせることにより、新規の刺激に対する恐怖を低減し、好意的な態度・好奇心を喚起することは重要なことです。一方で、同種・異種の生物との対応については、おやつだけで学べるものではなく、関わりの経験そのものが社会化には必要です。

犬と人の社会化においては、特に『手の関わり』が重要な意味を持ちます。なぜなら、人が犬に対してスキンシップを図る時には、手がその中心であるからです。そして、手はケアなど犬にとって嫌なこともする存在であり、また、手は優しいかかわりの中心でもあります。好と嫌、両面ある手という存在だからこそ、子犬と人が社会化をしていく中で、非常に重要な要素になるのです。

今回の問題行動解決塾では、2025年3月にご講演いただいた、ウタライフつねいし先生に再登壇いただき、ペットショップにおける子犬との関わりについてさらに掘り下げてお伺いします。特に「手」と言う存在を「嫌なもの」として扱い、「触るときにはおやつを使いながら」といった、手がマイナス、おやつがプラスと言う前提に立った社会化の在り方ではなく、手の接触・スキンシップそのものが、子犬たちに取って心地よいもの、落ち着くもの、好意的な関係を築くものになるような、自然な関わり、自然な子犬とのコミュニケーションのキャッチボールについて、お話しいただきます。

実際のペットショップでは、たくさんの子犬がいる中で生体管理や接客・販売をしながら社会化を促すプログラムを実施することは、容易ではありません。特別なトレーニングや社会化プログラムを用意するのではなく、日常のお世話の中で一人一人のスタッフがすでにできていること、実践できること、そこから子犬が学んでいる大切なことを見つけていきます。

───────────────────
■開催日時
───────────────────
2025年12月12日(金)21:00〜22:30

───────────────────
■出演者
───────────────────
つねいしみつこ先生 
D.I.N.G.O.認定インストラクター(〜2025年)
uta.life/

京都にてインストラクター資格取得後、2016年より、『愛犬との暮らし方教室uta.life』として主に高知市内にて、レッスンを開始。パピークラス・出張レッスン・プライベートレッスンを主に行う。
2017年より、ペットStep朝倉店にて子犬の社会化のアドバイザーを行う。
2022年より、ペットStep高知・松山の全5店舗にて、子犬の社会化トレーニングを開始。2023年より、保護犬への社会化のお手伝いを行う。
2024年2月より、オンラインセミナー『ペットショップでできる子犬の社会化トレーニングについて』『お世話の中でできる社会化とは?』を行う。
2024年5月 福岡県動物愛護センターにて『犬と家族の幸せのための社会化トレーニング』講演
2024年11月より、高知県主催『犬・猫飼い方講習会』にて定期講師として登壇
2025年1月より、犬の幼稚園StepDo!のアドバイザーを行う。

───────────────────
■対象
───────────────────
・ペットショップ関係者
・ドッグトレーナー
・獣医師
・動物看護師
・グルーマー
・ブリーダー
・犬に関わる活動をされている方

───────────────────
■参加・視聴方法
───────────────────
講義やセミナーはYouTubeライブまたはZOOMで開催します。開催間際になりましたら投稿やメッセージでURLをお知らせしますので、「人と動物の共生大学 LINE公式」または「人と動物の共生大学 Facebookグループ」にご登録ください。両方のご参加も大歓迎です。

・人と動物の共生大学(LINE公式)
開始15分前のメッセージとイベントカレンダーでライブ配信のURLをお知らせします。
step.lme.jp/landing-qr/1657145264-oXGnVmOX?uLand=K1OIOD

・人と動物の共生大学(Facebookグループ)
開催当日の午前9:00にライブ配信のURLを投稿します。
www.facebook.com/groups/kyouseidai

・参加の際にはグループルールへの同意をお願いします。
・参加承認には、営業日により最大3日程度お時間をいただく場合がございます。

───────────────────
■ご支援のお願い
───────────────────
▽現在、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施中です!

『ペット後見』で、飼い主の死亡や入院による、動物の飼育放棄を防ぐ!
www.furusato-tax.jp/gcf/4475

▽誰もが分け隔てなく、人と動物の共生を無料で学べるオンライン市民大学「人と動物の共生大学」。
月々500円からご支援いただけます。
congrant.com/project/tomoiki/6037

───────────────────
■お問い合わせ
───────────────────
主催:認定NPO法人 人と動物の共生センター

ご質問・ご意見は、下記よりお願いいたします。
human-animal.jp/contact
... もっと見る表示を減らす

\新着イベント📣参加無料🐕/
ペットショップが家族へとつなぐ「子犬の経験」〜お世話の中から子犬が学ぶ大切なこと〜
[問題行動解決塾]

言葉を話せない犬に対しても、人は感情や意思を伝え、あるいは、犬から感情や意思を読み取り、異種間のコミュニケーションを図ります。そのツールとして、私たちは、声、表情、視線、身体全体の動き、そして、手の接触によるスキンシップ等を用いています。

子犬の社会化の重要性が語られていますが、ともすれば「怖がる場面でおやつを与える」ということだけが社会化であると理解されているかもしれません。

社会化とは、「共に暮らす、同種・異種の生物との対応や生活環境における、適切な社会行動を学ぶ過程」を指します。

新規の刺激に対して、おやつという報酬を組み合わせることにより、新規の刺激に対する恐怖を低減し、好意的な態度・好奇心を喚起することは重要なことです。一方で、同種・異種の生物との対応については、おやつだけで学べるものではなく、関わりの経験そのものが社会化には必要です。

犬と人の社会化においては、特に『手の関わり』が重要な意味を持ちます。なぜなら、人が犬に対してスキンシップを図る時には、手がその中心であるからです。そして、手はケアなど犬にとって嫌なこともする存在であり、また、手は優しいかかわりの中心でもあります。好と嫌、両面ある手という存在だからこそ、子犬と人が社会化をしていく中で、非常に重要な要素になるのです。

今回の問題行動解決塾では、2025年3月にご講演いただいた、ウタライフつねいし先生に再登壇いただき、ペットショップにおける子犬との関わりについてさらに掘り下げてお伺いします。特に「手」と言う存在を「嫌なもの」として扱い、「触るときにはおやつを使いながら」といった、手がマイナス、おやつがプラスと言う前提に立った社会化の在り方ではなく、手の接触・スキンシップそのものが、子犬たちに取って心地よいもの、落ち着くもの、好意的な関係を築くものになるような、自然な関わり、自然な子犬とのコミュニケーションのキャッチボールについて、お話しいただきます。

実際のペットショップでは、たくさんの子犬がいる中で生体管理や接客・販売をしながら社会化を促すプログラムを実施することは、容易ではありません。特別なトレーニングや社会化プログラムを用意するのではなく、日常のお世話の中で一人一人のスタッフがすでにできていること、実践できること、そこから子犬が学んでいる大切なことを見つけていきます。

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■開催日時
───────────────────
2025年12月12日(金)21:00〜22:30

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■出演者
───────────────────
つねいしみつこ先生 
D.I.N.G.O.認定インストラクター(〜2025年) 
https://uta.life/

京都にてインストラクター資格取得後、2016年より、『愛犬との暮らし方教室uta.life』として主に高知市内にて、レッスンを開始。パピークラス・出張レッスン・プライベートレッスンを主に行う。
2017年より、ペットStep朝倉店にて子犬の社会化のアドバイザーを行う。
2022年より、ペットStep高知・松山の全5店舗にて、子犬の社会化トレーニングを開始。2023年より、保護犬への社会化のお手伝いを行う。
2024年2月より、オンラインセミナー『ペットショップでできる子犬の社会化トレーニングについて』『お世話の中でできる社会化とは?』を行う。
2024年5月 福岡県動物愛護センターにて『犬と家族の幸せのための社会化トレーニング』講演
2024年11月より、高知県主催『犬・猫飼い方講習会』にて定期講師として登壇
2025年1月より、犬の幼稚園StepDo!のアドバイザーを行う。

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■対象
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・ペットショップ関係者
・ドッグトレーナー
・獣医師
・動物看護師
・グルーマー
・ブリーダー
・犬に関わる活動をされている方

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■参加・視聴方法
───────────────────
講義やセミナーはYouTubeライブまたはZOOMで開催します。開催間際になりましたら投稿やメッセージでURLをお知らせしますので、「人と動物の共生大学 LINE公式」または「人と動物の共生大学 Facebookグループ」にご登録ください。両方のご参加も大歓迎です。

・人と動物の共生大学(LINE公式)
開始15分前のメッセージとイベントカレンダーでライブ配信のURLをお知らせします。
https://step.lme.jp/landing-qr/1657145264-oXGnVmOX?uLand=K1OIOD

・人と動物の共生大学(Facebookグループ)
開催当日の午前9:00にライブ配信のURLを投稿します。
https://www.facebook.com/groups/kyouseidai

・参加の際にはグループルールへの同意をお願いします。
・参加承認には、営業日により最大3日程度お時間をいただく場合がございます。

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■ご支援のお願い
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▽現在、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施中です!

『ペット後見』で、飼い主の死亡や入院による、動物の飼育放棄を防ぐ!
https://www.furusato-tax.jp/gcf/4475

▽誰もが分け隔てなく、人と動物の共生を無料で学べるオンライン市民大学「人と動物の共生大学」。
月々500円からご支援いただけます。
https://congrant.com/project/tomoiki/6037

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■お問い合わせ
───────────────────
主催:認定NPO法人 人と動物の共生センター

ご質問・ご意見は、下記よりお願いいたします。
https://human-animal.jp/contact

【ふるさと納税を活用したクラウドファンディングがスタート!】

高齢の飼い主さんが入院や施設入所などで
どうしてもペットと暮らせなくなることがあります。

そのたびに、行き場のない犬や猫が生まれてしまう現実があります。

「飼い主が最後まで責任を果たせる仕組み」を
あらかじめつくっておくことで、
旅立ったあとも、ペットは安心して生きていけます。

それが 『ペット後見』 という考え方です。

今回のクラウドファンディングでは、
この仕組みを広めるための拠点づくりや
相談の受け皿を整えることを目指しています。

受付:2026/1/31まで
目標:800万円
ふるさと納税として寄附できます。(控除対象)

ぜひ、ご支援&応援のほどよろしくお願いいたします!

www.furusato-tax.jp/gcf/4475
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【ふるさと納税を活用したクラウドファンディングがスタート!】

高齢の飼い主さんが入院や施設入所などで
どうしてもペットと暮らせなくなることがあります。

そのたびに、行き場のない犬や猫が生まれてしまう現実があります。

「飼い主が最後まで責任を果たせる仕組み」を
あらかじめつくっておくことで、
旅立ったあとも、ペットは安心して生きていけます。

それが 『ペット後見』 という考え方です。

今回のクラウドファンディングでは、
この仕組みを広めるための拠点づくりや
相談の受け皿を整えることを目指しています。

受付:2026/1/31まで
目標:800万円
ふるさと納税として寄附できます。(控除対象)

ぜひ、ご支援&応援のほどよろしくお願いいたします!

https://www.furusato-tax.jp/gcf/4475

【人と動物の共生大学イベントレポート】
<動物幸福論 File:42>
生体展示?デジタル展示? 野生動物の“本当”を知るには

10月18日、「人と動物の共生大学」では、ライトアニマル代表・生物イラストレーターの河合晴義氏をお招きし、「生体展示?デジタル展示? 野生動物の“本当”を知るには」を開催しました。

■「ライトアニマル」とは?
河合さんは、水族館や図鑑のイラスト制作を行う生物イラストレーターであり、現在は北海道の水族館「AOAO SAPPORO」で展示ディレクターも務めておられます。
そんな河合さんが友人と共に開発したのが、デジタル動物展示システム「ライトアニマル」です。
「ライトアニマル」は、生きた動物を使わずにCGでリアルな等身大の動物を投影する仕組み。
VR・AR・3D映像などの技術を使い、まるで本物の動物が目の前にいるかのような臨場感を体験できます。

現在、ライトアニマルはカワスイ川崎水族館やAOAO SAPPOROで常設展示されており、国内外で高い評価を得ています。
特に絶滅した動物や飼育が難しい生物を“展示”できること、環境負荷を大幅に減らせること、そして動物を苦しめることなく教育ができる点が大きな特長です。

■「本物を見る」とは何か
講演の後半では、河合さんが「デジタル展示が動物展示にもたらす意義」についてお話しいただきました。
「私たちは“本物を見る”ことで野生動物を理解できると信じています。でも、動物園や水族館の展示環境は“人が作った自然”であり、そこにいる動物たちは“人に適応して生きる存在”です。それを“本物”と呼べるでしょうか。」という部分にはハッとした方も多かったのではないでしょうか。
河合先生は、飼育環境で暮らす動物たちが本来の姿や行動を失っていく現状を、シャチやイルカの事例を通して説明しました。
一方、ライトアニマルでは群れで泳ぐ姿、狩りの様子、家族で暮らす様子など、野生でのリアルな生態を再現できることをご説明いただきました。

■命を伝える、新しい教育の形
「生きている動物でなければ命を感じられない」という意見に対して、河合先生は「それは“飼育動物の命”であって、“野生動物の命”ではない」と言われていました。
また、ライトアニマルの展示に触れようと手を伸ばす子どもたちの映像を紹介し、「本物でなくても、心を動かす力はある」と話されました。

■動物の未来を考えるきっかけに
今回の講演は、単にデジタル技術の紹介にとどまらず、動物展示そのものの意味を見つめ直す時間となりました。
ライトアニマルは、これまでの「生きた動物を見せる展示」に新しい選択肢を提示しています。
“命を使わない展示”が、動物の福祉と教育の両立をどう実現できるのか——その可能性を強く感じる回となりました。

その後のディスカッションで印象に残ったのは、こんな言葉でした。

・どちらか一方が正しいという話ではなく、動物園が教育や種の保全の場である以上、「本物」をどう伝えるかが重要であり、そこにデジタル技術をどう活かすかが問われている。
・リアルとデジタルを組み合わせることで、より深い学びに近づけるようになるはず。
・重要なのは“何を見せるか”より、“どう見せるか”。
そこに意味を込めることで、観察が学びに変わる。
・デジタルは、どこまでも“お客さんのため”に演出できてしまう。
だからこそ、“何を伝えたいのか”という軸を持たなければいけない
・動物園が伝えるべきは“驚き”や“可愛さ”ではなく、動物と人との距離感、そして自然への理解
・生体展示とデジタル展示の“住み分け”だけでなく、交差(クロス)させることで新しい教育の形が生まれる。

■ まとめ:「本物」を伝える新しい手段
ディスカッションを通じて浮かび上がったのは、「本物」とは“リアルな動物そのもの”ではなく、“動物や自然の本質を伝える意図と体験”であるという共通認識でした。
そして個々の施設が「何を見せたいか、何を学んでほしいのか」を意識して展示をすることが最も重要なことであるということでした。
デジタルもリアルも、そのための手段であり、いかに来場者の心に“生き物としてのリアリティ”を届けられるか──。
今後の動物園、水族館の在り方を深く考えさせられる内容でした。
... もっと見る表示を減らす

【人と動物の共生大学イベントレポート】
<動物幸福論 File:42>
生体展示?デジタル展示? 野生動物の“本当”を知るには

10月18日、「人と動物の共生大学」では、ライトアニマル代表・生物イラストレーターの河合晴義氏をお招きし、「生体展示?デジタル展示? 野生動物の“本当”を知るには」を開催しました。

■「ライトアニマル」とは?
河合さんは、水族館や図鑑のイラスト制作を行う生物イラストレーターであり、現在は北海道の水族館「AOAO SAPPORO」で展示ディレクターも務めておられます。
そんな河合さんが友人と共に開発したのが、デジタル動物展示システム「ライトアニマル」です。
「ライトアニマル」は、生きた動物を使わずにCGでリアルな等身大の動物を投影する仕組み。
VR・AR・3D映像などの技術を使い、まるで本物の動物が目の前にいるかのような臨場感を体験できます。

現在、ライトアニマルはカワスイ川崎水族館やAOAO SAPPOROで常設展示されており、国内外で高い評価を得ています。
特に絶滅した動物や飼育が難しい生物を“展示”できること、環境負荷を大幅に減らせること、そして動物を苦しめることなく教育ができる点が大きな特長です。

■「本物を見る」とは何か
講演の後半では、河合さんが「デジタル展示が動物展示にもたらす意義」についてお話しいただきました。
「私たちは“本物を見る”ことで野生動物を理解できると信じています。でも、動物園や水族館の展示環境は“人が作った自然”であり、そこにいる動物たちは“人に適応して生きる存在”です。それを“本物”と呼べるでしょうか。」という部分にはハッとした方も多かったのではないでしょうか。
河合先生は、飼育環境で暮らす動物たちが本来の姿や行動を失っていく現状を、シャチやイルカの事例を通して説明しました。
一方、ライトアニマルでは群れで泳ぐ姿、狩りの様子、家族で暮らす様子など、野生でのリアルな生態を再現できることをご説明いただきました。

■命を伝える、新しい教育の形
「生きている動物でなければ命を感じられない」という意見に対して、河合先生は「それは“飼育動物の命”であって、“野生動物の命”ではない」と言われていました。
また、ライトアニマルの展示に触れようと手を伸ばす子どもたちの映像を紹介し、「本物でなくても、心を動かす力はある」と話されました。

■動物の未来を考えるきっかけに
今回の講演は、単にデジタル技術の紹介にとどまらず、動物展示そのものの意味を見つめ直す時間となりました。
ライトアニマルは、これまでの「生きた動物を見せる展示」に新しい選択肢を提示しています。
“命を使わない展示”が、動物の福祉と教育の両立をどう実現できるのか——その可能性を強く感じる回となりました。

その後のディスカッションで印象に残ったのは、こんな言葉でした。

・どちらか一方が正しいという話ではなく、動物園が教育や種の保全の場である以上、「本物」をどう伝えるかが重要であり、そこにデジタル技術をどう活かすかが問われている。
・リアルとデジタルを組み合わせることで、より深い学びに近づけるようになるはず。
・重要なのは“何を見せるか”より、“どう見せるか”。
そこに意味を込めることで、観察が学びに変わる。
・デジタルは、どこまでも“お客さんのため”に演出できてしまう。
だからこそ、“何を伝えたいのか”という軸を持たなければいけない
・動物園が伝えるべきは“驚き”や“可愛さ”ではなく、動物と人との距離感、そして自然への理解
・生体展示とデジタル展示の“住み分け”だけでなく、交差(クロス)させることで新しい教育の形が生まれる。

■ まとめ:「本物」を伝える新しい手段
ディスカッションを通じて浮かび上がったのは、「本物」とは“リアルな動物そのもの”ではなく、“動物や自然の本質を伝える意図と体験”であるという共通認識でした。
そして個々の施設が「何を見せたいか、何を学んでほしいのか」を意識して展示をすることが最も重要なことであるということでした。
デジタルもリアルも、そのための手段であり、いかに来場者の心に“生き物としてのリアリティ”を届けられるか──。
今後の動物園、水族館の在り方を深く考えさせられる内容でした。
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