当法人では、ペット後見互助会とものわを組織し、飼い主に万が一のことがあった場合に、ペットを保護し、引き取り、新しい飼い主を探す活動を行っています。このペット後見の取り組みの中で、当法人では、プルデンシャル生命保険株式会社と、プルデンシャル信託株式会社が提供する、生命保険信託を活用して、ペットの飼育費を遺す取り組みを行っております。

生命保険信託とは?

生命保険信託は、生命保険による死亡保険金を信託会社が預かり信託財産として、事前に決めた受取人(受益者)に対して、信託会社から信託財産を事前に取り決めた方法で支払うことができる仕組みです。一般的には受取人が未成年であるなど財産管理ができない場合に毎年○○万円ずつ支払う等のような形で活用されます。

生命保険信託を取り扱っている生命保険会社は、第一生命、三井住友信託銀行、プルデンシャル生命などがあります。

この中でも、プルデンシャル生命は、信託財産として100万円からの取り扱いを行っており(三井住友銀行は250万円~/第一生命は1,000万円~)、少額での生命保険信託を作成することができる特徴があります。

ペット後見互助会とものわとは?

当法人が運営している「ペット後見互助会とものわ」は、会員である飼い主に、入院や死亡等、万が一のことがあった場合に、ペットを保護し、所有権を引き受け、新しい飼い主を探す活動を行っています。

現在は、当法人の拠点のある岐阜を中心に、東海・北陸・近畿地域の飼い主向けにサポートを行っています。当法人が運営する、犬のしつけ教室ONELife、一般社団法人サスティナブルサポートと協働で運営する忍者猫カフェ猫影、連携関係にあるNPO法人HAPPYDOGTEAMにて、保護・譲渡活動を行います。

必要な費用は、入会金として10万円、月会費として1頭あたり1000円、そして、飼育できなくなった場合にのみお支払いいただく飼育費用が100万円~(10キロ以上の動物は、体重(kg)×10万円)です。この飼育費用の遺し方が問題になります。

飼育費用の支払いが振り込みや現金では対応できない理由

ペット後見では、万が一の際にペットを保護し、幸せな生活を送らせてあげることを目的にしています。そのため、100万円の飼育費用は必要不可欠です。一方で、事故や疾病の急な悪化などで、現金を渡す、振り込みを行うなど、本人自身がが支払いの手続きができない場合、飼育費用が支払われないままになってしまう可能性があります。親族がいれば代わりに行うこともできるかもしれませんが、頼れる親族がいないからこそペット後見を使っている方も少なくありません。

飼育費用の支払い方法として、生命保険信託を活用

そうした事態を防ぐために活用できるのが、生命保険信託です。生命保険信託を使えば、契約者である飼い主の死亡保険金を飼育費用に充てることができる為、飼い主の死亡後に確実に飼育費用を支払うことができます。

生命保険信託を使う場合、費用の支払いのタイミングよりも、動物の引き取りのタイミングの方が早くなります。当法人としては、動物の引き取りと保護譲渡を先に行い、費用を肩代わりしておき、後から生命保険信託の財産交付を受けるという形になります。

生命保険信託では受取人を公益法人に指定できる

プルデンシャル生命の生命保険信託では、認定NPO法人をはじめとした公益法人を受取人(受益者)に指定できるサービスがあり、ペット後見互助会とものわではこの仕組みを活用し、飼育費用の支払いを行っていただいております。すなわち、飼い主が自身に生命保険をかけ、プルデンシャル信託が受託者となり、ペットを引き取り飼育・譲渡する当団体が受益者(生命保険金の受取人)となります。

問題は、受取人(受益者)になれるのは、公益法人のみという点です。そのため、一般のペットシッターやトリミングサロンが受益者になることはできません。認定NPO法人は、NPO法人のうちでも数%しかなく、受取人になれる団体はかなり限られるのが現状です。

生命保険信託のメリット

分割積み立てが可能

生命保険で積み立てるため、分割で支払うことが可能です。月々の支払いにすることで、契約作成のハードルが下がります。

総支払額を圧縮できる

生命保険のため、積み立ての方法によっては、利回りを得ることができるので、総支払額を圧縮できることがあります。

ペット後見互助会とものわでは、1頭あたり100万円~(体重10キロ以上の場合、1キロあたり10万円)の飼育費用を遺していただくこととなっていますので、生命保険金の金額は100万円以上の額で生命保険契約を作成することになります。

若い方で長期に払い込みが可能な場合、生命保険金の金額よりも、支払い総額が、より小さくなりやすい傾向にあります。

解約返戻金

ペットを飼い切れた場合は、解約いただければ、解約返戻金が戻ってきます。積み立ての方法によっては、利回りがあり、支払額より多い額の返戻金がある場合があります。

身近(ハードルが低い)

生命保険は、遺言や民事信託に比べて、身近だという点でハードルが低いと感じる人が多いようです。

遺言では、財産全体の処遇について検討しなければなりませんが、生命保険信託では、生命保険金にあたる部分のみ切り出して契約を作成することができます。

民事信託では、身近な人に受託者を依頼する必要があるため、身寄りが全くなく、受託者となってくれる身近な人がいないない場合、利用が難しいというデメリットがあります。

生命保険信託のデメリット

条件により加入できない

健康状態や年齢などの条件により加入できない場合があります。

受け取り対象の団体にハードルがある

プルデンシャル生命の生命保険信託では、公益財団法人、認定NPO法人など、一部の公益性が保証された法人のみが、受取人(受益者)となることができます。そのため、お世話になっているトリミングサロンに生命保険をつかって飼育費用を払いたいという希望があっても、なかなか難しいという状況になっています。

当団体のように、認定NPO法人を取得している団体であれば、受取人に指定することができます。

代表あいさつ 獣医師 奥田順之

親族がいないなど、大切な家族であるペットたちを託せる人がいない方が増えています。生命保険信託を活用したペット後見は、もしもに備える飼い主さんの強い味方になります。

ペット後見互助会とものわでは、獣医師、弁護士、行政書士、保険会社、ペットホテル、ペットシッターなど様々な立場の専門家が関わり、もしもに備える体制を構築しています。

犬猫や、その他、鳥、爬虫類など、10年を超える寿命を持つ(中には50年生きるペットもいる)動物の将来を守るためには、生命保険信託のような制度を活用することは重要です。

生命保険信託を活用したペット後見のご利用を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください。058-214-3442受付時間 9:00-17:00[不定休]

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